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現場仕事と仲間のこととか、たまにイデオロギー的なことをつれづれに。 読んだ本、すきな音楽やライブのことだとか。 脈絡無く戯言を書き殴る為の、徒然草。
2024/11/24/Sun
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2013/08/02/Fri
久々に続きをアップです。
でも実はこれ、前の話書いたあと割と直ぐ出来てたんですよ。
暑くてPC開くのサボってたら、こんなに月日が経っちゃいました。
月日が流れるのって早いね。怖いね。


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「おやまぁ、誰かと思ったら。珍しいこともあるもんだね」
 ドアを開けた喜久子さんが派手に声を上げた。そしてすぐさま奥の居間に向かって「ヒロくん、大佑が帰って来たよ」と叫ぶ。
「どうしたんだい、こんな平日に。偶にはお母さんのお墓にも顔を出しなさいね。どうせ行ってないんだろ。今日会社は休みなのかい、」
 お茶でも淹れるからお上がり、と言いながらも次々と質問をぶつけられそうな口ぶりで急かされ、やっぱり帰ってくるんじゃなかったかも、と俺は早くも後悔する。
 居間に入ると、オヤジがソファに座りテレビを見ていた。キッチンカウンターの端に小さな荷物を降ろす。
「おお、ダイか。どうした」
 オヤジも、喜久子さんと同じセリフを言った。でも、俺を見るなり表情は明らかに緩むのが判る。
「別に。特に用はないけど、どうしてるかなーと思って」
 入り口に立ったまま、言葉を継ぐ。少し、胸が痛んだ。盆に湯呑と急須を乗せて運んできた喜久子さんが、笑うように言った。
「大佑、何そんなとこで突っ立ってんの。お茶が入ったからこっち来て座りなさい。ほら、ヒロくんも」
 俺はこの人の、こういう母親ぶったような態度が苦手だ。本来ならこの人は俺のばあさんであって、母親ではない。それにもっと言うと、血の繋がりだって一切ないのだ。でも、物心付いた頃から喜久子さんはこの家にいて、こんな調子で俺を呼び捨てにし、まるで母親のように振る舞っていた。一方、本当の母親には「ダイちゃん」と呼ばれていた。一見、他人から見たら可愛がられているように見られるかもしれないが、俺はそれがすごく嫌だった。友人に聞かれた際、恥ずかしいからではない。距離を置き、遠慮している姿勢に思えて、寂しく感じたからだ。
 俺の幼いころ、喜久子さんは母さんにつらく当たっていた。料理の味付けが塩辛いだの、自分の歯ブラシだけが汚れているのにわざと変えようとしないだの、とにかく何かにつけ難癖を付けたがった。それは一般的にどこの家庭にでもある嫁姑問題なんだろう、と俺は子供ながらに考えていた。触らぬ神に祟りなし。そう思い、家の中で戦争が勃発しているときはなるべく顔を目を合わさないように自室に籠り、女ふたりを避けて過ごした。うちの戦争はいつも冷戦で、一見すると判りにくい。度々それと気付かず触れてしまい火の粉を食らうこともあったが、年を重ねるにつれ、段々読めるようになってきた。本当は、こうやって空気を読み、人の顔色を窺いながら遣り過ごすなんて、俺の性分に合っていない。大声で怒鳴り立て食器棚を薙ぎ倒して窓ガラスを破壊し、ふたりの目を、特に、喜久子さんの目を覚まさせてやりたい衝動に何度も駆られた。けど、そんな異常な行動は実行には移せない。実行に移せば俺は自分を抑えられずにふたりを殺してしまうかもしれない。そんな妄想に怯えた。実際、当時喜久子さんに殺意を懐いていたのも事実だ。
そうこうしているうちに、母さんが病に倒れた。乳癌だった。癌細胞なんて人間誰でも持っているものだと理解はしているが、俺にはストレスによる発症に思えてならなかった。若い人の癌の進行は早い。三十八でこの世を去った時、俺はまだ十四だった。母さんを殺したのは、この人だ。口には出さなかったけれど、俺がそう思ったのは言うまでもない。
 そんなウチの家族構成が特殊だと知ったのは、十八の時。子供の頃から周りの家と自分家が違うってことには薄々気付いてはいたのだが、まさかこんなにも可笑しなことになっているとは思いもよらなかった。きっかけは、公的資格取得のため、戸籍謄本を取りに行った時のこと。手に入れた書類を見て違和感を覚えた。いくら見慣れない文書とはいえ、それがおかしいってことくらい、俺にだって判った。抄本ではなく、謄本の方には一世帯全員の名前が記載されているはずなのに、その書類には母親の名前がどこにも載っていない。死亡したのなら除籍として×印で名前は残るはずなのに、妻の欄がそもそも無いのだ。そして一番驚いたのは、俺がオヤジの養子として記載されていたことだ。それも、当時からたった四年前の日付で。俺は生まれた時から同じ両親の元で育ってきたというのに、だ。
 悩んだ末、オヤジに問いただすとケロリとした表情で「俺と母さんは元から家族だったからなぁ。婚姻届け出すの忘れてたんだよ」なんて呑気な、そして意味不明な答えが返ってきた。俺が訊きたいのはそんな答えではない。それに、肝心な疑問が何一つ解消されていない。そして更に悩んだ末、喜久子さんに相談すると拍子抜けするほどあっさりした態度で大笑いしながら、こう言われた。
「なんだい、お前。知らなかったのかい。お前の父さんと母さんはね、姉弟として同じ家で育った、いとこなんだよ」
 さらに訳が判らなくなった。
 何度も説明されやっと理解出来た真相は、こうだ。
つまり、母さんとオヤジは元々いとことして互いの家に生まれた。しかし母さんの父親が妻との死別により再婚し、新しく若い妻が出来た。その若い新妻というのが喜久子さんで、彼女は夫の連れ子と同じ家で暮らすのを嫌がったのだ。そこで母さんは父親の弟の家に里子に出されることになる。その家にいた実子というのがオヤジだったわけだ。
姉弟になったといってもふたりは当時中学生。思春期真っ只中で、周りの大人たちに振り回される結果になった少年少女が恋に落ちるのは自然な流れだった。そうして一緒になったはずのふたりだが、元々苗字も同じだったし一緒に住んでいたし親は同じ人間だしで、役所に書類を出すことをすっかり忘れてしまっていたらしい。そのまま生まれた子である俺は母さんの戸籍に入り、非嫡出子として記載されたまま密かに時を過ごしていた。母さんの死亡によって戸籍上行き場のなくした俺は十四年の歳月を経て、やっとオヤジと親子関係を結んだわけだ。それも、養子として。
喜久子さんがオヤジのことを「ヒロくん」と呼ぶのは元々親戚の子だからであって、溺愛している愛息子というわけではない。俺は、この話を聞くまでずっと勘違いしていたことに気付いた。喜久子さんはオヤジの母親ではなく、母さんの実家の継母だったのだ。そして、継母と言ってもふたりが親子として同じ家で過ごしたことはなく、だから母さんは彼女のことを「喜久子さん」と名前で呼んだし、喜久子さんも母さんを「佑香さん」とさん付けで呼んでいた。誰に教えられたわけでもないがきっとテレビドラマなんかの影響で、そのように名前にさん付けで呼び合う関係は嫁と姑だと思い込んでしまっていた。でも、孫の世代に当たる俺までもが喜久子さんを名前で呼ぶようになったのは、よそよそしさや母さんの真似をしたからではない。単に、俺が生まれた当初まだ三十代だった彼女を「おばあさん」と呼ばせるにはさすがに抵抗のあった母さんが、名前で呼ぶように仕込んだだけのことだった。
「仕事は順調にいってるのかい。まだあの貿易会社に勤めているの、」
 ぬるい緑茶を啜りながら、テーブルに置かれた食べたくもない菓子に手を伸ばす。チョコレートだった。クッキーの類いかと思ったのに拍子抜けだ。緑茶には確実に合わない。でも口に入れる。
「まぁ、ボチボチ。あと、前にも言うたと思うけど、うちの会社、貿易会社やないから」
「そうだったかしら。でも似たようなもんなんでしょ。港で輸出業やってるっていったら、貿易会社ってイメージが先行しちゃうからしょうがないじゃない」
 年寄りの悪い癖と言うか。この人は昔からこうだ。人の話なんか聞いちゃいない。
「そうそう。今年は佑香さんの十三回忌だからね。お盆にはお寺さんも呼ぶし、大佑も忘れずに休み入れて帰ってくるのよ」
「……判ってますよ」
 自分の母さんのことだ。言われなくても気にはしている。ただ、普段はこの近寄りがたい状況の所為で、実家から足が遠のいているだけ。
 佑香さんは蘭がすきだったから、見頃の花を用意しましょうね、と喜久子さんは付け足した。人は、死人には優しくなれるというけれど、それを生前やっていてくれたら良かったのに。と思わずにはいられない。喜久子さんのこういう態度を見るのが嫌なのだ。いちいちそうやって考えてしまって、鼻につくから。
「ダイ、お前今夜は泊ってくんやろ。一杯飲まへんか、」
 冷蔵庫の奥をごそごそしてると思ったら、オヤジは缶ビールを取り出した。
「悪ィけど俺、単車で来たんだわ。それに明日も早いし、夜には帰るわ」
 嘘を吐いた。明日も休みだ。けど、これぐらいの小さな嘘で心なんて痛まない。互いが傷付かないために必要な嘘だから。案の定、オヤジは寂しそうな顔をして、そうか。と一言だけ言った。それ以上はもう何も言う素振りは無い。
「大佑、カバンがブーブー言ってるわよ。電話じゃないの、」
 喜久子さんに言われてスマホを確認すると、崔からメッセージが届いていた。輸出課若手飲み会なう。ご丁寧に男四人で酒盛りしてる写真付きで。
俺はダイニングテーブルを囲むふたりを振り返った。喜久子さんとオヤジは下らない世間話をぽつぽつとしながら、茶を飲んでいる。時折聞こえてくる言葉は、大佑のメールの相手ってやっぱり彼女かしら。いつ紹介してくれるんだろうね。時期が来れば、そのうち自分から言うてくるやろう。なんて、年頃の息子を持つ親にありがちな会話を繰り広げてる。でも、よく考えたらこのふたりも、おかしな組み合わせなのだ。いくら親戚関係と言えども、血の繋がらない伯母と甥。歳も、そんなに違わないはずだ。一緒に暮らしていて不都合はないのだろうか。俺は画面に視線を戻した。写真に写った崔は、仕事中でもないのに相変わらず帽子を被っている。作業帽によく似た、紺色のキャップ。
 実家なう。
 崔の真似をしてレスを付けた。写真の代わりに、大仏と鹿のイラストのスタンプを付けて。



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ややこしー感じになってしまいましたが・・・・
これ、モデルはもちろんウチの親族です。
世の中にはいろんな人がいるもんですからね。


1話・旧友との再会、2話・職場、3話・一人暮らしの家、そして今回4話・実家の家族。
さて、5話は?

そろそろ終わります。
このショートストーリーは、誰にでもある冴えない日常と人生の中にあるほっこりした出来事を書きたくて書いてます。
小さなことだけど、何も成就しないけど、でも其れを「しあわせ」と感じることが出来ることってある意味才能だし、仕合せなんだなぁ。
と、いうお話です。

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2013/06/02/Sun
今回はハイペース。
朝っぱらからこんな夜みたいな内容アップするのは気が引けますが・・・・・・アップしてすみません。

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 今日の帰りは久々にジムにでも寄って行くか。と思ったことなんてまるで忘れてしまったかのように俺は単車を置いて、電車に乗った。雨の所為になんてするつもりはない。確かに雨が降らなければ単車に乗って、家からも駅からも微妙に遠いジムへ行ったかもしれないが、そういう場所を選んで入会したのは俺自身。自分の性格は己が一番よく知っている。だから、雨の所為になんてするつもりはない。悪いのはサボり癖のある俺なのだ。それに、ジムにはちょうど同時期に入会した、読めない名前の女の子がいるのだが、その子がほぼ皆勤賞並みに通っているのが入り口前の名簿で判ってしまって少し行きづらい。ジムのトレーナーは元プロボクサーで、俺の通っている場所はボクシングジム。最初は俺の方がパンチにセンスがあるような気がしてたものの、練習量の圧倒的な違いからあっという間に差がついてしまった。俺はあまりに行かない所為で型なんて毎回忘れてしまって、常に一からやり直しているようなものだ。全然、前進しない。それよりも、なぜあの子はあんなに頻繁にボクシングなんかに通っているのだろう。あれはきっと、会社を定時で上がったら毎日ジムに足を運んでいる様子だ。暇なんだろうか。いや、そんな単純な理由じゃないはず。あれだけ時間を潰しているということは、きっと彼氏なんていないんだろうな。もしかしたら、恋人と別れた腹いせにサンドバックを殴ってすっきりしているのかもしれない。なんて、邪推して遊んでしまうからダメなんだろう。
 普段電車を利用しないもんで、駅前にあるレンタルビデオ店に足を運ぶこともめっきり減っていたが、今日、久々に店内に入った。何年も前から変わり映えのない内装。唯一、変わっていることと言えば、新作アーティストのポスターくらいか。それも、雛型が同じ所為で結局変わり映えしないのだが。
 十八禁の暖簾を潜るのも、実に久しぶりだった。そして俺は、すぐさま女優名で末尾の方の棚に目を走らせる。よしだ桃花は、すぐに見つかった。セーラー服でコスプレをしているパッケージがやたら目立つ。「もしも僕の彼女がよしだ桃花だったら」のタイトルは平置きにされており、新作シールが張られていた。巨乳を強調するような襟ぐりの広いTシャツを着て、ホットパンツを穿いて部屋に座る彼女が、きょとんとした瞳でこちらを見つめている。ロリ顔と言われるだけあって、確かに顔つきは幼い気がした。細めた奥二重に、肩にぎりぎり掛からないくらいの黒髪ショートボブ、適度な厚みのある下唇。特別美人というわけでもなかったが、素朴なかわいらしさが感じられる。
 俺はそのパッケージを手に取り、裏返した。裏面にはお決まりの、下半身に訴えかける過激な映像サンプルがいくつか載せられていて、裸で絡み合う彼女と共に「声のない天使」の文字が躍っている。ふと、その他のタイトルに目を遣ると「声のない天使~AVデビュー」の文字が目に留まった。表紙には、よしだ桃花十九歳、とある。七年も前からこんなことしているのか、と不審に思って裏を捲ると、二年前の日付が印字されていた。やっぱりな。よしだ桃花はいま、二十一歳なんだ。土師洋子は二十六歳なんだけど。
 暫く何本か物色したが、結局そのままデビュー作と最新作の二本をレンタルして店を出た。アダルトビデオを女優名で選んだのなんて、これが初めてだ。今までの俺はもっぱら素人ものに拘っていて、それ故にナンパ系や面接モノ、痴漢やレイプ作品ばかりを物色していた。出演している女優の顔や名前や、もっと言うと人格なんか気にしたこともない。AVはヌければそれでいい。だから極力、ワザとらしい設定も、喘ぎ声も、無い方が好みだったのだ。今までなら今回借りた恋人設定モノなんて全く眼中にない類いの極みだった。今日、桃花を見るまでは。
 家に帰ると、ちょっと特別な気分で環境を整え始めた。布団の周りに脱ぎ散らかした衣類を洗濯機に放り込み、空になったペットボトルを流しに持って行って、枕のカバーを裏返した。普段こんなことしないのに、何でそんな気分になったのか。喩えるなら、初めて女の子の友人を部屋に招き入れるときみたいなものかもしれない。そうして新しいボックスティッシュを枕元に用意し、部屋の明かりを落としてDVDの再生ボタンを押した。
 ワザとらしい甘ったるい声に、無理な設定のある演技。そういったものが嫌いで、見ても二秒で早送りをしてきた俺が、今回は最初から最後まで一度も早送りをせずに真剣に画面の中の彼女を見守った。そう。文字通り、「見守る」つもりで見ていた。声を出さない、言葉を持たない桃花だから、ちょっとした表情の変化や肌の動きが異常なほど目に付いて、気になった。偶に彼女の口から洩れる吐息は、他のどんな卑猥なセリフよりもエロちっくに耳の鼓膜と下半身を揺さぶる。何で彼女はこの業界に足を踏み入れたんだろう。食い扶持に困っていたのか。やっぱり職にあぶれてしまったのか。はたまた、吃音の治療費に充てるためだとか。それとも、家に借金でもあったのだろうか。きっかけは何だったのだろう。スカウト。それとも自分で応募して。もしかしたら、設定なんかじゃなくって本当に声を無くしてしまったんじゃないだろうか。このセックスはきっと全部ニセモノなんだろうけれど、彼女の音のない声がホンモノのような錯覚を起こし出す。
 うっすらと、潤んだ彼女の瞳を見ながら、俺は右手の中で果てた。ごろん、とベッドに横になる。肩で呼吸をしながら、何だかちょっとだけ、切ない気分になった。虚しいわけではなく、切ないのだ。胸が締め付けられるような、この感じ。これって、何かに似ている気がする。そう。恋、みたいな。
 思った瞬間、自分で笑ってしまった。いま、判った。アイドルやAV女優のファンになる人の感情が。そうなんだ。こういう男心を利用してるんだろう。俺は、よしだ桃花の力になってやりたい、と思ったのだ。あくまでも、上から目線で。でもそれは、握手会に足を運んだり、イベントに参加したり、リリースされた作品を購入したりするしかない。そしてこれは、土師洋子に対する感情とは別次元のところにあるものだと俺は知っていた。昔、同級生だったらしい彼女に恋心を抱く可能性は、限りなくゼロに近い。
 呼吸の乱れが収まってきて、丸めたティッシュをゴミ箱に投げた。ちょっとだけ、地元のことを思い出した。今度の休みは久しぶりに実家に顔を出してみようかな、なんて思考がふと浮かんだ。

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この物語は、とにかく「日常」を書きたかったもので・・・
1話で旧友との再会、2話で職場、3話で一人暮らしの家、みたいな感じできてます。
オ○ニーシーンですみません!!!

でも、こんだけリアル描写をせずに、エロさゼロで長々とオナシーン書いてる小説って他にあるだろうか?
なんて、変なところで自画自賛(?)してみたり。(笑)

まだもう少し、続きます。

拍手

2013/05/31/Fri
約一ヶ月ぶりの文章能力リハビリ小説、第2話。(ホントはもっとハイペースで仕上げたい・・・)
ダラッとはじまりはじまり。

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 フォークリフトの腕には密かに自信がある。社内フォークリフト選手権、なんてものがあったとしたら、三位以内には食い込めるくらい。なんせ、出勤してその日の作業メニューが「貨物積み下ろし」だった日には、自己タイムベストを更新できるよう己との闘いをしているくらいだ。如何にバランスよく、多くの積荷を一つのコンテナに乗せることが出来るか。それでいて勿論、素早さと正確さも計算に乗せる。そうして作業の終わりに記録シートに記載した数値を見て、内心ほくそ笑むのだ。どのページを捲っても、誰も俺の作業時間と積荷重量のバランスの良さを超えてはいない、と。
 けど、こんなことは競うものではないし、給料は単位時間で出ているものであって、歩合制なわけではない。査定にも業績にも響かないし、誰も褒めちゃくれない。これは単なる自己満足であって、得をするものではないのだ。どちらかといえば、同じ時間内、出来るだけ仕事をせずに時間を潰して定時で帰れるかという術を身に着けた方が賢いのかもしれない。
 それになんだか、最近貨物積み下ろし作業ばかりやっている気がする。もしかしたら勤務担当者に俺の仕事の効率の良さを見抜かれていて、集中的に同じ作業に充てられているのかもしれないし、単なる偶然かもしれない。いや、悪いように考えれば、他の仕事はこいつには任せられない、貨物積み下ろしの単純作業ぐらいしかやらせる能力はない、なんて思われているのかもしれない。だとしたらこんな自己記録更新なんて呑気なことをやっている場合ではない。
好きと得意は別物なのだ。フォークリフトを扱うことは得意だけれど、こうやって余計なことを考える時間が生まれてしまうのは単調作業ならではのことであって、正直あまり好きではない。余計なことなんて考える暇もないくらい頭をフル回転させなきゃなんないような作業の方が、一日の労働時間は感覚的に短くて、直ぐに帰路に着けるような気がする。
 これは、マラソンにも言える気がした。マラソンはよく人生に喩えられるけれど、誰のためにもならない、ただただ苦しいだけの時間を過ごすことはまさに己との闘いなわけだ。走りながら、自分はなぜ今ここにいるのか、なぜ市民マラソンになんて参加すると言ってしまったのか、異常に息が苦しいのは普段煙草を止めれないからなのか、ハジヒロコがAV女優になった理由はやっぱり普通の就労に就けなかったからなのか、ていうかサトナカとは一緒のクラスになったことないのに何で今俺は奴の誘いに乗って走っているのか。
 なんて思考が堂々巡りになって頭の中を渦巻いた。ゴールまでが異様に遠くて、永遠に終わりなんて来ないような気さえする。フォークリフトも、マラソンも。
「ダイスケ兄さぁーん」
 単調作業を黙々と続けていたら、ダラっとした声に呼ばれて意識を取り戻した。
「貨物の検品したいんスけど、コンテナがデカイんで中二階まで運ぶの手伝ってくれません、」
ジトっとした潮風が肌を舐める。レバーを停止位置に留めて振り返ると、俺と同じ濃紺の作業着を着た崔泰佑が貨物倉庫の端に違法増築した中二階の検品場を指して待っていた。
「貨物はどれ」
「C-5エリアに置いてる、あれっす」
 フォークリフトから降り、崔に付いて歩きながら奴の指す方に目を向けると、やたら奇麗なシルバーの箱が視界に入った。コンテナと言っても船に搭載させるためにウチみたいな輸出業者が作った、量産型で会社ロゴ入りの古びた箱とは全く違う。荷主が商品配送のため専用に作ったボックスだろう。コンテナの両端にはご丁寧に取っ手までついている。ちらり、と隣を歩く後輩を見遣る。手には何も持っていない。嫌な予感がする。
「……チェ氏、どうやって運ぶつもりなん、」
「え、兄さんと二人でハンドル持って階段上ろうかと」
「アホかお前、婿入り前の俺の腰を砕く気かッ」
「大丈夫っすよ、大した大きさじゃないし」
 とは言っても、一見したところ高さ一メートル弱、長辺も三メートル程度は軽くある。溜め息が出そうになった。
「何のためにお前らにクレーンと玉掛けの技能講習行かせたと思ってんねん。ええからラッシングベルト五メーター二本、今すぐ持って来いや」
「ええっ、俺、運転自信ないっスよ」
「俺がやる。お前は監視員でもしとけ」
 今やらないで、いつやるのだ。せっかく取った資格も、使わなければこうやって錆びていくというのに。
 工具室へ走る後輩をわざとしかめっ面で見送ってから、倉庫の天井を見渡した。西の大扉は開け放しにされていて、目前の港からは文字通り肌に纏わり付くような多量の塩分を含んだ空気が流れ込んでいる。梅雨入りはまだのハズだが、ここらの空気はみな湿気臭い。もちろん倉庫内に置いてる工具や車輌もすぐ錆びる。けど、潮のにおいは案外心地いい。大阪の海は臭い、なんて言うけれど街からだいぶ外れたこの辺りの海は泳げるくらいキレイなもんだ。
 上を向いて暫くきょろきょろ視線を泳がせていたら、天井クレーンの本体とその脇からケーブルで地上近くまで長く伸びたリモコンの所在が掴めた。北の壁際に寄せて停められている。ベルトを持って戻ってきた崔にハンドルから掛けるように指示し、俺は操作盤の電源を入れてリモコンを引っ張った。
 後輩の手前偉そうな事を言ったものの、正直、クレーン操作は久しくやってない。一年ぶりくらいか。普段あまりにリフト車ばかり乗っていたせいか、こういうゆっくりとした動きに合わせなきゃならない機械は苦手意識がある。崔だってたぶんそれは同じで、だからリスクを避けたがったのだ。リスクを伴うのは何でも同じことだが、クレーン操作は失敗すると積荷が高所から落ちることになり、大災害を招きかねない。だから慎重に、ゆっくり、ゆっくり、操作する。いつものリフト車みたいにタイムを競ったりはしない。監視員をやっている崔の、オーライ、の声に合わせて、ゆっくり、ゆっくり。
「よし、一服行こう」
 無事、中二階の検品場の床面にコンテナを降ろしたところで即行言った。内心、ほっと胸を撫で下ろす。何事もなくてよかった。
 横にいる崔は何の疑心も抱かず当然の結果のように一連の流れを見ているようだが、こういうのを変な自信にしないで日頃からもっと練習しておかねば、と誓う。
 とは言いつつ、喫煙所に入ると先輩風を吹かして説教モードに入ってみる。
「ほらな、クレーン使った方が楽で速いやろ。あれ、人力で運んでたら今頃まだ階段の途中で、登り切る頃にはギックリ腰発症確実やで」
「そうっスね。すんません。これからは日々、精進するようにします」
 反省しているのかいないのか、いつもの単調な口調に頭を下げて、崔は煙草に火を点けた。左手に持った銘柄は黄土色のベースに緑色の縁取りが入っている。わかば、なんて若いくせにオッサンみたいな煙草を吸う。
「そう言えば大佑さん、もうすぐ結婚するんスか」
「はァ、」
 突拍子もないことを突然言われて、思わず手にした煙草を落としそうになった。
「何で。誰がそんなウワサ流してるん、」
「いや、さっき自分で言うてましたやん、婿入り前の腰が……って。近々、ご予定がありはるんかなぁーと」
「あるわけないやん。彼女すらおらんのに」
「ですよね」
「あ。お前、知ってって言うたな、この」
「大佑さん、クラブ、行きません、」
「お前は所構わず話題を打ちまくる男だな……」
「クラブ行ったらモテますよ。ええオンナも結構いてるし」
 さっきまでの何考えてるのか読めない無表情とは全然違う。明らかに顔に生気が宿っている。そういえば以前、崔の彼女はクラブで出逢ったとか言っていた気がする。
「いや、遠慮しとくわ。俺、人見知りやし。そういうの面倒臭いし」
「そういうの、って。クラブですか」
「いや、オンナの方」
「何でですか。じゃあ、大佑兄さんの好みのタイプってどんな娘ォです、」
 今日はやけに食い下がってくる。奴の恋愛事情に、何か有ったのかも知れない。
「好みのタイプっつってもなぁ……。チェ氏の彼女はどんな子やっけ」
「こんな子です」
 待ってましたと言わんばかりにすぐさまスマートフォンを取り出し、画面をこちらに向けてきた。中央にはBーBOY風の出で立ちをした崔と、その横にやたら胸が開いた細身のジャケットに身を包み眼に黒い縁取りをした若い女が写っている。要するに、巨乳の若いギャルが好みらしい。
「俺の好みは貧乳で素朴な年上の人かな」
 わざと正反対のタイプを言ったみたいだ、と思った。そんなつもりはなかったんだけど、崔の彼女の写真を見たら不意にそう思ってしまったから仕方がない。
「熟女ですか……」
 頭を捻り唸るようにして崔が言う。
「ちょっと待て。年上がええとは言うたが、熟女がええとは言うてへんぞ」
「でも兄さんより年上ってゆうたら、AVでは熟女コーナーになりますよ。人妻カテゴリーは、二十六からですしね」
「そうか。俺、熟女好きやったんか……。勉強になったわ」
 てことは同じ二十六歳の俺はもうオッサンですよ、って言われているようなものかもしんない。ふと、接骨院のセンセイに言われたセリフを思い出した。もう若くないんだから、ってやつ。本心としては二十代半ばなんてまだまだ若者の気分ではあるが、実際体力の衰えは感じるし、ギックリ腰は気にしなきゃなんないし、同級生は結婚してるし、やっぱり年なんだろうか。
 そんなことを気にしているから、マラソンにだって参加したし、ジムにだって通っている。そうだ。今日の帰りは久々にジムにでも寄って行くか。せっかく加入したのに、実はあまり通えていない。月額制ではなく一回五百円の回数券制のコースを選択した所為か、サボり癖が付いてしまった。いや、サボり癖があるのは昔からなんだけど。
「AVと言えば」
 え、と崔が顔を上げる。ハジヒロコ。彼女のこと、こいつは知っているんだろうか。名前は何て言ったか。たしか、
「よしだ……」
「よしだ…吉田みるく、芳田チアキ、よしだ桃花、」
「そうそれ、よしだももか」
「桃花じゃ兄さんの好みとは離れすぎてるでしょ。巨乳で童顔だし」
 そうなのか。でも年は俺と同じ筈なんだけど、と思ったが言わないでおく。もしかしたら、年齢はサバ読みしているかもしれない。
「あ、でも、」
 ふと思い出したように崔は顔を上げた。そして、ニヤリと笑う。
「判りますよ、萌えポイントは合ってそうですよね」
 何のことやらさっぱり判らないが、崔は勝手に納得してしまった。どういう意味やねん、と聞けばいいんだろうけど、俺はすぐさまスマートフォンを取り出す。百聞は一見に如かず。現代人の悪い癖だ。
 字が判らないので平仮名でフルネームを打ち込むと、予測変換で漢字が出てきた。結構有名なのかもしれない。検索結果の文字列には、巨乳・ロリ顔・女子校生、といったキーワードの他に、同じキャッチフレーズらしきものが必ずヒットしていた。
 声のない天使。
 なるほど。吃音を逆手に取らず、声自体を無くしてしまった設定にしたんだ。喘ぎ声をあげない女優、っていうのは珍しくていいのかもしんない。我慢してるとか出さないわけではなく、「出せない」ってのがいいのだろう。この声によって彼女がどれだけ苦労したかとか悩んだかなんて、画面越しに射精する男たちにとっちゃこの手の職種によくある不幸要素であって、同情心を得るにはちょうどいいくらいだ。つまり、征服感と優越感を煽る香辛料でしかない。真実なんて、何だっていいのだから。
「桃花の新作、もし僕シリーズみたいですね」
 何故か崔も自分のスマホで調べている。もし僕、と言えば「もしも僕の彼女が××だったら」という普通の恋人シチュエーション、ノーマルセックスのシリーズで、男優は殆ど出てこずカメラアングルが画面越しの恋人=自分、という設定のものだ。
「今夜のオカズにするわ」
 画面から視線を外すと、窓の外は雨が降り出していた。
 灰になった煙草を灰皿に押し付けて、俺は喫煙所のドアを開けた。


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今回は職場なシーン。
同僚後輩の名前、崔泰佑は「チェ・テウ」と呼んであげてください。
主人公は「チェ氏」というあだ名で呼んでいます。←この呼び方は実は私の職場でもやっている。主に、年長者が後輩に対して苗字+氏を付ける、という呼び方。

ちなみに「吉田みるく」というのは実在する私の友人(男・俳優)の芸名です。(笑)


まだ、続きます。

拍手

2013/04/28/Sun
えっと。
ちょっと最近物語的文章を書いていなかったので、ちょっとリハビリを兼ねて単発ものをひとつ。
(去年の今頃も同じようなことを言っていたと思いますが。まぁ、あれも続けたいとは思っております。)
タイトルがクソみたいに長いですが深い意味はありません。



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 二十五を過ぎた辺りから腹の弛みが気になるようになってきた。太っているというわけではない。まだ。いわゆるビールっ腹ってヤツ。服を着てしまえば誰も判らないような小さな変化だったけれど、それに気づいた途端ギクッとした。最近、運動していない。三年前、ギックリ腰になったとき接骨院のセンセイに、もう若くないんだから意識して運動しないと。って云われたのを思い出したからだ。もう若くないんだから、って。その時おれはまだ二十三やぞ。オッサン、アンタに歳のこと云われるとは思わなかったよ。と思ったけれど、オッサンセンセイは云っていた。人間運動能力が最も高まるのは十六、七のとき。ハタチまではその体力を維持できるが、そっから先は下る一方やって。だから、体力維持する努力をせなあかんのや。
「でも意外やったな。持久力なさそうな気がしてたから」
 隣でアップをしていたサトナカが云った。
「だからハーフに出場してんやろっ。てかお前さっきはおれのこと憧れてたゆうたクセに、随分イメージ貧弱やん」
「ごめんごめん、殴らんといて。だって不良の人たちって部活とか入ってへんし、単発的にガーッとやりあって終わるから、短距離走の方が向いてる気がして」
「不良の人たち、って」
「違うの、」
 屈伸をしながら隣を見上げると、サトナカは軽く手首を回しながらにこにこしている。悪気は全くないらしい。変わった奴だ。今日おれを、ここに誘ったことも。
「違わへんけど」
 答えて立ち上がった。
 おれ達は市民マラソンに来ていた。天候は曇り。出発までもう暫く。田んぼの真ん中みたいな畦道で、ばらばらと横一列に並んだ参加者たちが思い思いに体を動かしている。
 サトナカとは先月、中学時代の旧友の結婚式で再会した。約十年ぶりに会ったわけだが、再会って言葉が正しいのかどうかは正直判らない。何せおれは当時のサトナカをよく知らない。三年間クラスも違ったし、部活にだって入ってなかった。でも向こうは覚えていたらしい。というのも、中学時代おれはちょっとした有名人だったからだ。もちろんそれは奴が云うように、ちょっとだけ、ワルをやっていたから。今考えると、誰かに憧れられるようなことはひとつもしていなかった。しかも、いつでも上には上がいて、そういう奴らはやっぱり人の上に立つ資質みたいなものを持っていた。家庭環境が複雑で、中学生なのに土建屋の日雇い労働なんかしちゃってて、仲間割れをしたときなんかはグサッと胸に刺さるセリフでみんなをひとつにまとめ上げちゃうような、そんな存在。おれはただの二番煎じだった。グレてた理由なんて、クソくだらねぇ。ちっぽけで、どうでもいいようなことだ。でもサトナカには、そんなおれがカッコよく映っていたらしい。
 旧友の結婚式は地元奈良の片田舎で行われたが、大阪に出てきていたおれとサトナカは偶然住んでいる場所も近所だった。そんなわけで一緒になった帰り路、マラソン参加に誘われたわけだ。マラソンなんてやったことないし、体育の授業にあった持久走は大嫌いだったが、運動不足解消のいいきっかけになるかもしれない。そう思い、今に至る。
「なぁ、よしだ桃花って、知ってる」
「は、」
「知らんの、AV女優の」
「何やねん、突然」
「あれ、二組におった土師洋子らしいで」
 突然、サトナカはおかしなことを云い出した。係りの人間が、もう間もなくスタートします、選手の方はスタートラインまでお進みください、と拡張器でアナウンスしている。
「誰それ。同級生、」
「同級生。ほら、酷いドモリでなかよし学級に登校してた子」
 二組の重度の吃音で障害児学級に登校していた女子。そう云えばそんな子、いたような気がする。
「同じクラスやった子ぉがアダルトビデオで全裸になってるって、ちょっと複雑な心境やったわ」
「見たの、」
「もちろん。知らんのやったら今度よしだ桃花で検索してみれば。いっぱい出てくるから」
 周りの参加者が流れて行くのに従って、おれたちはスタートラインに立った。サトナカが変なことを云った所為で、何だかもやもやする。もうすぐ、走らなきゃならないのに。
「あ、憧れてたのはホンマやで」
 また突然、サトナカが云った。
 位置に付いて、よーい。
「二中のアイコっていえば、高校でもけっこう通じたよ」
 ドン。

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つづく。

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サワムラの主催する小劇団…のはず。2012年に旗揚げ公演を行い、2014年現在、5月公演に向けて準備中。

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二十代半ば(から始めたこのブログ・・・2014年現在、三十路突入中)、大阪市東成区出身。
乗り物の整備をしている、しがないサラリーマン。
3度の飯より睡眠、パンクなライブ、電車読書、などを好む。
この名前表記のまま、関西小劇団で素人脚本家として細々と活動中でもある。

1997年頃~2006年ごろまで、「ハル」「サワムラハル」のHNで創作小説サイトで細々とネットの住民してたがサーバーダウン&引越しによるネット環境消滅が原因で3年ほど音信不通に。。。
あの頃の自分を知っているヒトが偶然にもここを通りかかるのはキセキに近いがそれを願わずにはいられない。
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