現場仕事と仲間のこととか、たまにイデオロギー的なことをつれづれに。
読んだ本、すきな音楽やライブのことだとか。
脈絡無く戯言を書き殴る為の、徒然草。
2013/06/02/Sun
今回はハイペース。
朝っぱらからこんな夜みたいな内容アップするのは気が引けますが・・・・・・アップしてすみません。
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今日の帰りは久々にジムにでも寄って行くか。と思ったことなんてまるで忘れてしまったかのように俺は単車を置いて、電車に乗った。雨の所為になんてするつもりはない。確かに雨が降らなければ単車に乗って、家からも駅からも微妙に遠いジムへ行ったかもしれないが、そういう場所を選んで入会したのは俺自身。自分の性格は己が一番よく知っている。だから、雨の所為になんてするつもりはない。悪いのはサボり癖のある俺なのだ。それに、ジムにはちょうど同時期に入会した、読めない名前の女の子がいるのだが、その子がほぼ皆勤賞並みに通っているのが入り口前の名簿で判ってしまって少し行きづらい。ジムのトレーナーは元プロボクサーで、俺の通っている場所はボクシングジム。最初は俺の方がパンチにセンスがあるような気がしてたものの、練習量の圧倒的な違いからあっという間に差がついてしまった。俺はあまりに行かない所為で型なんて毎回忘れてしまって、常に一からやり直しているようなものだ。全然、前進しない。それよりも、なぜあの子はあんなに頻繁にボクシングなんかに通っているのだろう。あれはきっと、会社を定時で上がったら毎日ジムに足を運んでいる様子だ。暇なんだろうか。いや、そんな単純な理由じゃないはず。あれだけ時間を潰しているということは、きっと彼氏なんていないんだろうな。もしかしたら、恋人と別れた腹いせにサンドバックを殴ってすっきりしているのかもしれない。なんて、邪推して遊んでしまうからダメなんだろう。
普段電車を利用しないもんで、駅前にあるレンタルビデオ店に足を運ぶこともめっきり減っていたが、今日、久々に店内に入った。何年も前から変わり映えのない内装。唯一、変わっていることと言えば、新作アーティストのポスターくらいか。それも、雛型が同じ所為で結局変わり映えしないのだが。
十八禁の暖簾を潜るのも、実に久しぶりだった。そして俺は、すぐさま女優名で末尾の方の棚に目を走らせる。よしだ桃花は、すぐに見つかった。セーラー服でコスプレをしているパッケージがやたら目立つ。「もしも僕の彼女がよしだ桃花だったら」のタイトルは平置きにされており、新作シールが張られていた。巨乳を強調するような襟ぐりの広いTシャツを着て、ホットパンツを穿いて部屋に座る彼女が、きょとんとした瞳でこちらを見つめている。ロリ顔と言われるだけあって、確かに顔つきは幼い気がした。細めた奥二重に、肩にぎりぎり掛からないくらいの黒髪ショートボブ、適度な厚みのある下唇。特別美人というわけでもなかったが、素朴なかわいらしさが感じられる。
俺はそのパッケージを手に取り、裏返した。裏面にはお決まりの、下半身に訴えかける過激な映像サンプルがいくつか載せられていて、裸で絡み合う彼女と共に「声のない天使」の文字が躍っている。ふと、その他のタイトルに目を遣ると「声のない天使~AVデビュー」の文字が目に留まった。表紙には、よしだ桃花十九歳、とある。七年も前からこんなことしているのか、と不審に思って裏を捲ると、二年前の日付が印字されていた。やっぱりな。よしだ桃花はいま、二十一歳なんだ。土師洋子は二十六歳なんだけど。
暫く何本か物色したが、結局そのままデビュー作と最新作の二本をレンタルして店を出た。アダルトビデオを女優名で選んだのなんて、これが初めてだ。今までの俺はもっぱら素人ものに拘っていて、それ故にナンパ系や面接モノ、痴漢やレイプ作品ばかりを物色していた。出演している女優の顔や名前や、もっと言うと人格なんか気にしたこともない。AVはヌければそれでいい。だから極力、ワザとらしい設定も、喘ぎ声も、無い方が好みだったのだ。今までなら今回借りた恋人設定モノなんて全く眼中にない類いの極みだった。今日、桃花を見るまでは。
家に帰ると、ちょっと特別な気分で環境を整え始めた。布団の周りに脱ぎ散らかした衣類を洗濯機に放り込み、空になったペットボトルを流しに持って行って、枕のカバーを裏返した。普段こんなことしないのに、何でそんな気分になったのか。喩えるなら、初めて女の子の友人を部屋に招き入れるときみたいなものかもしれない。そうして新しいボックスティッシュを枕元に用意し、部屋の明かりを落としてDVDの再生ボタンを押した。
ワザとらしい甘ったるい声に、無理な設定のある演技。そういったものが嫌いで、見ても二秒で早送りをしてきた俺が、今回は最初から最後まで一度も早送りをせずに真剣に画面の中の彼女を見守った。そう。文字通り、「見守る」つもりで見ていた。声を出さない、言葉を持たない桃花だから、ちょっとした表情の変化や肌の動きが異常なほど目に付いて、気になった。偶に彼女の口から洩れる吐息は、他のどんな卑猥なセリフよりもエロちっくに耳の鼓膜と下半身を揺さぶる。何で彼女はこの業界に足を踏み入れたんだろう。食い扶持に困っていたのか。やっぱり職にあぶれてしまったのか。はたまた、吃音の治療費に充てるためだとか。それとも、家に借金でもあったのだろうか。きっかけは何だったのだろう。スカウト。それとも自分で応募して。もしかしたら、設定なんかじゃなくって本当に声を無くしてしまったんじゃないだろうか。このセックスはきっと全部ニセモノなんだろうけれど、彼女の音のない声がホンモノのような錯覚を起こし出す。
うっすらと、潤んだ彼女の瞳を見ながら、俺は右手の中で果てた。ごろん、とベッドに横になる。肩で呼吸をしながら、何だかちょっとだけ、切ない気分になった。虚しいわけではなく、切ないのだ。胸が締め付けられるような、この感じ。これって、何かに似ている気がする。そう。恋、みたいな。
思った瞬間、自分で笑ってしまった。いま、判った。アイドルやAV女優のファンになる人の感情が。そうなんだ。こういう男心を利用してるんだろう。俺は、よしだ桃花の力になってやりたい、と思ったのだ。あくまでも、上から目線で。でもそれは、握手会に足を運んだり、イベントに参加したり、リリースされた作品を購入したりするしかない。そしてこれは、土師洋子に対する感情とは別次元のところにあるものだと俺は知っていた。昔、同級生だったらしい彼女に恋心を抱く可能性は、限りなくゼロに近い。
呼吸の乱れが収まってきて、丸めたティッシュをゴミ箱に投げた。ちょっとだけ、地元のことを思い出した。今度の休みは久しぶりに実家に顔を出してみようかな、なんて思考がふと浮かんだ。
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この物語は、とにかく「日常」を書きたかったもので・・・
1話で旧友との再会、2話で職場、3話で一人暮らしの家、みたいな感じできてます。
オ○ニーシーンですみません!!!
でも、こんだけリアル描写をせずに、エロさゼロで長々とオナシーン書いてる小説って他にあるだろうか?
なんて、変なところで自画自賛(?)してみたり。(笑)
まだもう少し、続きます。
朝っぱらからこんな夜みたいな内容アップするのは気が引けますが・・・・・・アップしてすみません。
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今日の帰りは久々にジムにでも寄って行くか。と思ったことなんてまるで忘れてしまったかのように俺は単車を置いて、電車に乗った。雨の所為になんてするつもりはない。確かに雨が降らなければ単車に乗って、家からも駅からも微妙に遠いジムへ行ったかもしれないが、そういう場所を選んで入会したのは俺自身。自分の性格は己が一番よく知っている。だから、雨の所為になんてするつもりはない。悪いのはサボり癖のある俺なのだ。それに、ジムにはちょうど同時期に入会した、読めない名前の女の子がいるのだが、その子がほぼ皆勤賞並みに通っているのが入り口前の名簿で判ってしまって少し行きづらい。ジムのトレーナーは元プロボクサーで、俺の通っている場所はボクシングジム。最初は俺の方がパンチにセンスがあるような気がしてたものの、練習量の圧倒的な違いからあっという間に差がついてしまった。俺はあまりに行かない所為で型なんて毎回忘れてしまって、常に一からやり直しているようなものだ。全然、前進しない。それよりも、なぜあの子はあんなに頻繁にボクシングなんかに通っているのだろう。あれはきっと、会社を定時で上がったら毎日ジムに足を運んでいる様子だ。暇なんだろうか。いや、そんな単純な理由じゃないはず。あれだけ時間を潰しているということは、きっと彼氏なんていないんだろうな。もしかしたら、恋人と別れた腹いせにサンドバックを殴ってすっきりしているのかもしれない。なんて、邪推して遊んでしまうからダメなんだろう。
普段電車を利用しないもんで、駅前にあるレンタルビデオ店に足を運ぶこともめっきり減っていたが、今日、久々に店内に入った。何年も前から変わり映えのない内装。唯一、変わっていることと言えば、新作アーティストのポスターくらいか。それも、雛型が同じ所為で結局変わり映えしないのだが。
十八禁の暖簾を潜るのも、実に久しぶりだった。そして俺は、すぐさま女優名で末尾の方の棚に目を走らせる。よしだ桃花は、すぐに見つかった。セーラー服でコスプレをしているパッケージがやたら目立つ。「もしも僕の彼女がよしだ桃花だったら」のタイトルは平置きにされており、新作シールが張られていた。巨乳を強調するような襟ぐりの広いTシャツを着て、ホットパンツを穿いて部屋に座る彼女が、きょとんとした瞳でこちらを見つめている。ロリ顔と言われるだけあって、確かに顔つきは幼い気がした。細めた奥二重に、肩にぎりぎり掛からないくらいの黒髪ショートボブ、適度な厚みのある下唇。特別美人というわけでもなかったが、素朴なかわいらしさが感じられる。
俺はそのパッケージを手に取り、裏返した。裏面にはお決まりの、下半身に訴えかける過激な映像サンプルがいくつか載せられていて、裸で絡み合う彼女と共に「声のない天使」の文字が躍っている。ふと、その他のタイトルに目を遣ると「声のない天使~AVデビュー」の文字が目に留まった。表紙には、よしだ桃花十九歳、とある。七年も前からこんなことしているのか、と不審に思って裏を捲ると、二年前の日付が印字されていた。やっぱりな。よしだ桃花はいま、二十一歳なんだ。土師洋子は二十六歳なんだけど。
暫く何本か物色したが、結局そのままデビュー作と最新作の二本をレンタルして店を出た。アダルトビデオを女優名で選んだのなんて、これが初めてだ。今までの俺はもっぱら素人ものに拘っていて、それ故にナンパ系や面接モノ、痴漢やレイプ作品ばかりを物色していた。出演している女優の顔や名前や、もっと言うと人格なんか気にしたこともない。AVはヌければそれでいい。だから極力、ワザとらしい設定も、喘ぎ声も、無い方が好みだったのだ。今までなら今回借りた恋人設定モノなんて全く眼中にない類いの極みだった。今日、桃花を見るまでは。
家に帰ると、ちょっと特別な気分で環境を整え始めた。布団の周りに脱ぎ散らかした衣類を洗濯機に放り込み、空になったペットボトルを流しに持って行って、枕のカバーを裏返した。普段こんなことしないのに、何でそんな気分になったのか。喩えるなら、初めて女の子の友人を部屋に招き入れるときみたいなものかもしれない。そうして新しいボックスティッシュを枕元に用意し、部屋の明かりを落としてDVDの再生ボタンを押した。
ワザとらしい甘ったるい声に、無理な設定のある演技。そういったものが嫌いで、見ても二秒で早送りをしてきた俺が、今回は最初から最後まで一度も早送りをせずに真剣に画面の中の彼女を見守った。そう。文字通り、「見守る」つもりで見ていた。声を出さない、言葉を持たない桃花だから、ちょっとした表情の変化や肌の動きが異常なほど目に付いて、気になった。偶に彼女の口から洩れる吐息は、他のどんな卑猥なセリフよりもエロちっくに耳の鼓膜と下半身を揺さぶる。何で彼女はこの業界に足を踏み入れたんだろう。食い扶持に困っていたのか。やっぱり職にあぶれてしまったのか。はたまた、吃音の治療費に充てるためだとか。それとも、家に借金でもあったのだろうか。きっかけは何だったのだろう。スカウト。それとも自分で応募して。もしかしたら、設定なんかじゃなくって本当に声を無くしてしまったんじゃないだろうか。このセックスはきっと全部ニセモノなんだろうけれど、彼女の音のない声がホンモノのような錯覚を起こし出す。
うっすらと、潤んだ彼女の瞳を見ながら、俺は右手の中で果てた。ごろん、とベッドに横になる。肩で呼吸をしながら、何だかちょっとだけ、切ない気分になった。虚しいわけではなく、切ないのだ。胸が締め付けられるような、この感じ。これって、何かに似ている気がする。そう。恋、みたいな。
思った瞬間、自分で笑ってしまった。いま、判った。アイドルやAV女優のファンになる人の感情が。そうなんだ。こういう男心を利用してるんだろう。俺は、よしだ桃花の力になってやりたい、と思ったのだ。あくまでも、上から目線で。でもそれは、握手会に足を運んだり、イベントに参加したり、リリースされた作品を購入したりするしかない。そしてこれは、土師洋子に対する感情とは別次元のところにあるものだと俺は知っていた。昔、同級生だったらしい彼女に恋心を抱く可能性は、限りなくゼロに近い。
呼吸の乱れが収まってきて、丸めたティッシュをゴミ箱に投げた。ちょっとだけ、地元のことを思い出した。今度の休みは久しぶりに実家に顔を出してみようかな、なんて思考がふと浮かんだ。
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この物語は、とにかく「日常」を書きたかったもので・・・
1話で旧友との再会、2話で職場、3話で一人暮らしの家、みたいな感じできてます。
オ○ニーシーンですみません!!!
でも、こんだけリアル描写をせずに、エロさゼロで長々とオナシーン書いてる小説って他にあるだろうか?
なんて、変なところで自画自賛(?)してみたり。(笑)
まだもう少し、続きます。
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サワムラヨウコ
自己紹介:
二十代半ば(から始めたこのブログ・・・2014年現在、三十路突入中)、大阪市東成区出身。
乗り物の整備をしている、しがないサラリーマン。
3度の飯より睡眠、パンクなライブ、電車読書、などを好む。
この名前表記のまま、関西小劇団で素人脚本家として細々と活動中でもある。
1997年頃~2006年ごろまで、「ハル」「サワムラハル」のHNで創作小説サイトで細々とネットの住民してたがサーバーダウン&引越しによるネット環境消滅が原因で3年ほど音信不通に。。。
あの頃の自分を知っているヒトが偶然にもここを通りかかるのはキセキに近いがそれを願わずにはいられない。
乗り物の整備をしている、しがないサラリーマン。
3度の飯より睡眠、パンクなライブ、電車読書、などを好む。
この名前表記のまま、関西小劇団で素人脚本家として細々と活動中でもある。
1997年頃~2006年ごろまで、「ハル」「サワムラハル」のHNで創作小説サイトで細々とネットの住民してたがサーバーダウン&引越しによるネット環境消滅が原因で3年ほど音信不通に。。。
あの頃の自分を知っているヒトが偶然にもここを通りかかるのはキセキに近いがそれを願わずにはいられない。
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