きみの笑顔が消えた

ちょっと前から、なんだか違和感を感じていた。

でも、それがなんなのかまでは気付けずにいたんだ。


一緒にいて、電話していて、酒を交わして。

この、もやっとした違和感は、一体何なのだろう？

答えを探ろうとして、きみの目をじっと見ると、きみは決して反らすことなく見つめ返してくる。

何ですか？ と言いたげな眸をしているけど、何も語らない。

もやもやの答えは出ない。

きみと別れた後、眠れない夜に考える。

何が違う？
今まで感じてたものと、一体何が？


でも今日やっと、ひとつの答えを見付けた。


きみの顔から笑顔が消えた。

いつも楽しそうに話してくれていたきみが、無表情でしか話さなくなった。


何故だろう？

でも、話す話題も頻度も、表情の違いを除けば何も変わらないのだ。

この変化は、一体なに？？


自分を振り返ってみる。

あたしは今まで、きみに笑顔を見せてた？
いつも無表情だったのは、あたしの方かも知れない。


他人の感情を推し量ることなんて、一生出来ない。

無表情でも、もやっとした違和感を感じてはいても、あたしたちの関係に然程大差はないかもしれない。


でも、出来ることならば。


笑顔で接したい。
妙な緊張感なんて払いのけて、もう一度、きみとバカみたいに笑ってみたいな。