重い腰を上げ、３足目の草鞋を履く。

唐突ですが、児童養護施設を知っていますか？



昔、昭和の時代で言うところの「孤児院」です。

いまの日本では、戦争孤児もいないですし、実際の孤児のこどもよりも親の虐待等により入居しているこどもたちが多いそうです。


私は、「サワムラさん」の家で暮らしていたころ、記憶を記録出来だしたころから、病院よりも現実味を帯びてずっと身近に感じていた施設でして、何度か主治医にも紹介を受けたこともありました。

病院では麻酔や睡眠剤を飲まされて検査に臨むこどもが大半の中、大人びた意思表示と落ち着きを持ち合わせたこどもだった私は、医師の指示を仰ぎながら自力で検査を済ませました。

しかし、最終判断は本人には出来ないこと。保護者の支配下の元に置かれている年齢では、自己主張も許されなかったのです。



こどもの意志尊重が法的に認められるのは、６歳、１２歳、１５歳、２０歳と段階があって、私はまだ幼かったために自分で判断できない悔しさを感じました。


そんな凶暴な記憶を途絶えさせないように大人にならなければ。


法的に権力と権利が獲得出来る年齢になるまで意地でも生き延びて、いつかこんな思いをしているこどもたちの力にならなければ。


と思い続けて、早２０余年。


やっと、動き出しました。


この時の為に、節約とルームシェアをしてコツコツ貯めた貯金も使うときが来ました。



理想は常に胸の内にあるけど、重い腰がなかなかあがらなくて動き出せない。


もたもたしている内に、一兎も得られないまま、歳ばかり食ってしまう。



死ぬ前に、やり遂げたいことって何だろう？



草鞋は、２足でも３足でも履いて生きたいです。

体力と、何より気力が続く限り。